「虫」イコール「昆虫」ではない?昆虫の基本を知ろう!【自由研究のヒント②】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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「虫」イコール「昆虫」ではない?昆虫の基本を知ろう!【自由研究のヒント②】

【お父さんお母さん必見!夏のおすすめ自由研究のヒントシリーズ】昆虫の定義を知って、観察してみよう!100万種に及ぶ昆虫たち!

 昆虫綱は、節足動物中最大のグループで、今まで昆虫の定義に世界中で93

万種以上が発見されています。

カブトムシの体のつくり

 また、昆虫の体形は千差万別ですが、(1)6本の脚をもつ、(2)体が頭部・胸部・腹部の3つに分けられ、(3)成虫にはふつう4枚の翅がある、といった3つの共通の特徴が見られます。

 脚の数は、外見から昆虫かどうかを見極めるうえでもっともわかりやすい特徴です。8本のクモやダニ、多数のムカデやゲジ、ダンゴムシは昆虫ではありません。

 ちなみに、昆虫のアリに擬態したアリグモ(クモの一種)は、それを知ってか知らぬか、8本の脚のうち2本の前脚を触角のようにしてカモフラージュしています。

 体の3つの部位について、クモ類は頭胸部(頭と胸)と腹部、ムカデは頭部と胴部に分けられます。ガやコガネムシの幼虫など、芋虫や毛虫の姿をしているものも、しっかりと頭部・胸部・腹部に分かれています。

 また、脚の数が多いように見えますが、本当の脚は前の6本(胸脚)で、それより後ろは腹脚や尾脚で、植物につかまるためにできた「脚のようなもの」です。

 なお、4枚の翅は必須の条件ではなく例外も多いのです。

 その他、寄生虫(マラリア原虫、蟯虫(ぎょうちゅう)など)、プランクトン(ミドリムシ、ゾウリムシなど)も虫とつくが昆虫ではありません。他方、ノミやシラミ、シロアリ、ハサミムシは昆虫らしくない姿ですが昆虫なのです。

<『4億年を生き抜いた昆虫』より>

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岡島 秀治

おかじま しゅうじ

農学博士。東京農業大学教授。東京農業大学第一高等学校、同中等部校長。東京農業大学農学研究科農学専攻、博士課程修了。専門は、昆虫学、生物多様性・分類、形態・構造。著書に『日本産コガネムシ上科標準図鑑』(学研教育出版、共著)ほか多数、監修に『にほんの昆虫』(アマナイメージズ)、『学研の図鑑LIVE 昆虫』、『大自然のふしぎ 増補改訂 昆虫の生態図鑑』、『ポケット版 学研の図鑑① 昆虫』(いずれも学研教育出版)、『脱皮コレクション』(日本文芸社)、『いきもののしいく』(フレーベル館)ほか多数。


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